ナカザワ

娘・妻・母のナカザワのレビュー・感想・評価

娘・妻・母(1960年製作の映画)
3.9
終わりかた好きだなぁ。絶妙。
64年も前の映画とは思えないほど現代と変わらないリアルな話すぎて、面白く見られる内容では全くないけど、出演者それぞれの立場と人間性が台詞と表情のひとつひとつから伝わってきて奥深さがあった。
各夫婦の過ごしかた(夜寝る前にこっそり二人で美味しいコーヒーを淹れる、仕事終わりに二人で映画を見て帰るなど)があるらしいことが、会話の中でしか出てこないところもよかった。どの夫婦も見えないところで、そうやって仲良くやっているのだ。

兄の宝田明が弟の加山雄三とお金の話で揉める映画『二人の息子』の感想を最近映画館スタッフ数人と話したけど、あれはめちゃくちゃ不評だったな。この2作品で宝田さんのキャラクターにさほど違いはないんだけど、映画の主軸をお金に置くか、人の人生に置くかでだいぶ印象が違うんだねぇと思いました。
ていうか松山善三はカネで揉める家族の話が好きなの?