元々テレビ用に作ったのを再編集して劇場公開に。公開時は大林宣彦の自伝的作品「マヌケ先生」(未見)と2本立てだったそうで、内容から言っても大林監督が淀川長治と自分と重ねているような感じも。
斜めアングル多し。美術も凝っていて、家の壁から入ってきた光により外の風景像が反転し、それが活動写真との出会いだったエピソードなどおもちゃ箱をひっくり返したようなワクワク感。
憧れの女性を演じた勝野雅奈恵が美しく、この方は和装の方が似合うなと。
大林監督独特の独白&ずっと音楽鳴っているので前半は若干疲れるが、後半、淀川家が没落してからは落ち着く。映画会社の広告マンのセリフ「さよならは再開するための言葉」からのくだりや幼馴染の友人とのやり取りがじんわり心に沁みる。