湯っ子

ジャングル・フィーバーの湯っ子のレビュー・感想・評価

ジャングル・フィーバー(1991年製作の映画)
4.0
軽妙でコミカルな導入部から、まるで転がる石のように物語が加速していく。
裕福で妻子ある黒人男性と、派遣社員としてやってきたイタリア系白人女性の不倫の恋がきっかけ。コミュニティや家庭の中でさまざまな騒動が起こる。人種、生活レベル、宗教などが複雑に絡み合い、分断する。大きなくくりでは同じグループであっても、同じグループの者同士が集まるとそこにはまた小さな分断が存在していたり。
スパイク・リーの映画を観ると、いつも無傷ではいられない。この作品でもしっかり傷を残してくれた。

中盤の“HARLEM”(SATCブラックガール版という趣きのドラマ)みたいなガールズトークのシーンも面白かった。
この映画でいちばん胸熱なのは、ジョン・タトゥーロのエピソードだと思う。黒人社会を主に描きながらも、映画の中ではマイノリティと言える白人に希望を託す、このバランス感覚が好きです。
湯っ子

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