つるまき鳥

愛のむきだしのつるまき鳥のレビュー・感想・評価

愛のむきだし(2008年製作の映画)
5.0
2015/3/18
@目黒シネマ

変態vs信仰。この映画を観るのは3回目。園子温監督のトークショー目当てで目黒シネマへ。

上映終了後、ハットにジャケットのいつものスタイルで登場する園監督。かなり疲れた様子だったが、ビール片手に饒舌なトークを繰り広げた。
園監督は自らの作品を曲のように考えているそうで、映画一本の捉え方をアルバムの中の一曲くらいの気持ちで見て欲しいそうだ。『愛のむきだし』は24分のプログレッシブロック。作曲と捉えると一年一作のペースでは遅すぎる。最近、映画を撮りまくっているのはその為。
園監督は早撮りの監督と知られている。しかし、その速さが尋常ではない。『HAZARD』はNYで10日間。『紀子の食卓』は2週間。『愛のむきだし』もかなりの早撮りで、2ヶ月で撮り終えたそう。普通の監督であれば1日3シーンのところを20シーン撮ったことも。満島ひかりが吸血鬼に襲われるシーンはなんと2分で撮っていたw
監督の著書『非道に生きる』を読んで、主人公にはモデルとなる盗撮魔の友人がいることを知っていたが、監督も友人から盗撮を手伝わされていたとか!コミケでコスプレ美女を撮影していたところ、危うくばれそうになって辞めることになるのだが、その時友人から「何で?こんなに楽しいのに!」と言われ、そのことがとても印象に残っているそうだ。実際、友人の妹も宗教団体に入ってしまい、劇中のバスのシーン同様なんとか説得して脱会させている。現在は元気に暮らしていて結婚もし子供もいるそうだ。

トークショー終了後、園監督からサインをもらい少し話した。このサインは一生の宝物だ。