りょうすけ

逮捕命令のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

逮捕命令(1954年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

「逮捕命令」

フレッド・ジンネマンの「真昼の決闘」と同様に社会派の西部劇映画。反共産主義や群集心理に対する批判など、メッセージ性がある作品で、主人公が2人の女以外の民衆に悪として追い詰められる姿は、西部劇らしくないが、ラストで主人公の清廉潔白が証明され、女が清々しく「ハレルヤ!」と叫ぶ姿は西部劇らしい。

「真昼の決闘」は85分の上映時間と作中の進行時間がほぼ同時間という話があったが、本作でも概ねリアルタイム進行だった気がする。途中、逮捕までの猶予時間があったが、作中で2時間は経っていなかったと思う。

神の裁きが降るという意味合いで、悪役は教会の鐘に跳ね返った銃弾で死亡する。悪は必ず滅び、正義は必ず勝つという西部劇におけるテンプレートがここでも使われていた。逆にこれ以外の西部劇を観たことがない気がする。主人公が死んだとしても、悪が栄えることは絶対にない気がする。「ヘイトフル・エイト」は登場人物のほとんどが悪いやつだったからノーカンってことで。

風刺が効いている点は良かったと思うが、物語的には普通だった。馬車から主人公が飛び降りるシーンが凄いと思ったが、それ以外の演出で凄いと思ったところはなかった。西部劇が好きな人と「死ぬまでに観たい映画1001本」制覇を目指している人だけ観れば十分だと思う。風刺が効いた西部劇なら圧倒的に「真昼の決闘」を観るべき。
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