【2007年キネマ旬報外国映画ベストテン 第6位】
ベルギーのサム・ガルバルスキ監督作品。主演はゴダール『メイド・イン・USA』などのマリアンヌ・フェイスフル。ベルリン映画祭コンペに出品された作品。
厳しくも暖かいヒューマンドラマ。おもしろかった。原題は主人公の芸名「イリーナ・パーム」だが、『やわらかい手』という邦題もなかなかいい。
難病に冒された孫を助けるために普通の主婦であるおばさんマギーが風俗店で働く、という話。
この風俗店で働くところのシュールさがおもしろい。設定勝ちって感じ。壁に穴が空いていて、そこに男たちが差し込む。そうすると壁の裏にいる女が手コキする。
壁で見えないとはいえ風俗店で働くことに最初は嫌がるマギーだったが、風俗店のオーナー、ミキや同僚と関係を構築していく。マギーがどんどん度胸をつけていくのが観ていて気持ちいい。
後半はもちろん家族にバレて修羅場…にはなるのだが、それでも家族という繋がり、そして孫を想うマギーの想いは本物であり、暖かい結末を迎える。
非常にいい映画だった。こういう小品がキネ旬ベストテンに入ってくるのがいいよね。気持ちのいいヒューマンドラマだった。