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その男、凶暴につきのnobiiitaのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.0
初見。北野作品はソナチネ以降はだいたい観ているとおもうのだけれど。

フレッシュでキレのある北野武(監督としても役者としても)がすごく良くて驚いてしまった!

私はもともと、ヤクザという存在の是非は別としても、ヤクザ映画なるものの見方がぜんぜん理解できなくて、ヤクザ礼讚してどうすんだよ、くらいに思うことも多々あったのだが、いつだったか、北野監督の映画をみて妙に腑におちたんだよな、あー北野武というひとは、理不尽な力(暴力)に全力で抗い、全力で否定しようとしてるのか、と。
それがこの作品では、暴力が過ぎるとはいえ「刑事」が主役なのだ、格段に理解しやすかった。

この映画、監督こそ北野武だが、脚本はあの野沢尚なのか。けれども、野沢さんの本だからって、こんなふうに撮れるのもまた監督の想いがあってこそで、北野監督は、どこで培ったものなのか知らないがずっと、はじめから“怒り”を湛えていて、それが笑いと映画どちらの原動力にもなっていて、いまも変わらないのかもなあ、なんておもってしまった。

いやしかし、北野映画を観てこんなに熱く語るとは自分でもおもわなかった(笑)
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