法月

ロレンツォのオイル/命の詩の法月のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

新作のマッドマックスがあまりに素晴らしかったので、ジョージ・ミラー監督のマックス以外の作品も観てみようと思って鑑賞。

治療法のない難病、副腎白質ジストロフィーにかかったひとり息子、ロレンツォの命を救おうと、医学にはまったくの素人だったオドーネ夫妻が、特効薬「ロレンツォのオイル」を作りだしてしまう奇跡のような話。

実話だけに、元気だったロレンツォが徐々に病魔に侵され、自由を奪われていく様は、重く、辛い。
そして、そんな息子を救いたい一心で、医者が頼りにならないのなら自分で治療法を見つけるしかない、と奮闘する両親の姿に圧倒される。
どんな困難にも屈せず、前進し続けようとするオドーネ夫妻の姿に感動せざるおえない。不屈の魂を描くこと、これがジョージ・ミラー監督の骨子なのか........
諦めない心が奇跡を呼ぶ、本当に感動的な映画。


しかし、観終わった後、その後のロレンツォくん、オドーネ夫妻のことが気になってネット検索し、苦い思いに.........

「医学は映画のように簡単にはいかない」
副腎白質ジストロフィー患者に「ロレンツォのオイル」を投与したものの、多くの患者に症状の改善が見られず、オドーネ夫妻が詐欺師よばわりされたとか。
そしてそんな夫妻を庇い続け、「ロレンツォのオイル」の有効性を科学的に立証しようとしたのが映画の中では悪役的に描かれていたニコラウス教授のモデルとなったヒューゴ・モーザー氏であったこと。いろいろと考えさせられた。

2015年の現在、オドーネ夫妻、そしてロレンツォくんもすでに他界されている。
ネットで検索した事柄ぐらいで軽々しいことなど言えないが、発病してから2年以内にほぼ死亡するとされる難病にかかったロレンツォくんが30歳まで延命したことは事実。

オドーネ夫妻の偉業を信じたい。
法月

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