ロレンツォのオイル/命の詩のネタバレレビュー・内容・結末

「ロレンツォのオイル/命の詩」に投稿されたネタバレ・内容・結末

副腎白質ジストロフィー(ALD)の息子を救うべく奮闘する家族の姿を描いた、実話を元にした難病ドラマ。

監督/脚本/製作は『マッドマックス』シリーズや『トワイライトゾーン/超次元の体験』の、後のオスカー(長編アニメ映画賞)監督ジョージ・ミラー。

元医者という異色の経歴を持つジョージ・ミラーだからこそ描けた、真に肉薄する難病もの。
とにかくALD患者のロレンツォくんの描写には、残酷なまでに血が通っている。
一切の綺麗事を排除した、迫真した病気の描写には目を背けたくなること間違いなし。

この映画の凄いところは、ロレンツォの両親を聖人として描いていないこと。
ALDの治療法を独学で探求するお父さんは、その多忙さで狂気の狭間に陥るし、お母さんは心の余裕を無くしてどんどん厭な人間になっていく。
難病患者を介護する立場の人間を、非情なまでのリアリティをもって描いている。

「この病は母親の遺伝子からもたらされる」という残酷すぎる現実。これを突きつけられたミケーラさんの心境は如何ばかりか。
こんな厭な描写をわざわざ挿入している。まるでジョージ・ミラーの、このALDという病の真実から目を逸らさないという確固たる意志を表しているようだ。

決して、鑑賞していて気持ちの良い映画ではない。
しかし、現在でもALDは難病指定された病魔であり、日本国内でも約200人の患者が苦しんでいる。
もしかすると自分の身の回りで起こるかもしれない出来事に対し他人事にならないためにも、こういった苦しい映画を鑑賞することは必要なのではないだろうか?
今はちょうど「24時間テレビ」の放送時期。意味のわからないマラソンや芸能人の隠し芸を披露するくらいなら、こういった名画を放送してほしい。

気になる点としてはアフリカの扱いかな。
「この人生は戦いだ。勝敗は神の手にある。戦いを祝福しよう!」という、死ぬほどカッコ良いスワヒリ戦士の言葉の引用と共に幕を開け、その後東アフリカのコモロ諸島で暮らしていた頃のロレンツォのシークエンスが続くことからも、「アフリカ」というのがキーワードの一つであることは間違いない。

フィル・コリンズの歌う「ロレンゾ」という楽曲は、ロレンツォの母親ミケーラさんの詩を元に制作されている。
「back to East Africa」という歌詞が印象的なことからもわかるように、オドーネ一家にとってアフリカというのは特別な意味を持つ場所だったのだろう。

この映画からは、はっきりいってそこがあまり伝わって来なかった。
アフリカ人のオモウリ青年がキーパーソンになるのかと思ったが、彼が渡米した後はほとんどモブのような扱いになる。
何故オモウリ青年が必要だったのか、そこをストーリーにもっと組み込んで欲しかった。

オドーネ夫妻が作った「Lorenzo's Oil」は、今だに有効な治療法として利用されているようだ。
とはいえ、本作ではまるで特効薬のように扱われている「Lorenzo's Oil」だが、実はこれには発症を予防する効果はあっても、一旦発症してしまった神経症状の進行を抑制する効果はないようだ。
この映画が公開された当時は、治療薬として信じられていたようなので真実と違うのは仕方ないと思う。
まぁ映画を観て実際に「Lorenzo's Oil」を与えてみたALD患者の親は、思ったような効果が得られず大いに失望しただろう。これもまた残酷な現実である。
ちなみに、日本では「Lorenzo's Oil」は保険適応外のようだ。うーん、それってどうなの?

『マッドマックス』の制作者が作ったとは思えない、リアリティのある難病ものヒューマン・ドラマ。
…いや、よく考えたら『マッドマックス』も難病ものか。
そう考えたらジョージ・ミラーの制作する作品は一貫していると言えるのかも。
まぁ観ていて辛い映画ですが、たまにはこういう作品も鑑賞しなければならんでしょう。

「神はあなたがたを耐えられない試練には会わせない」という言葉は果たして真実か。
少なくとも、試練に打ち克つためには人間の執念と狂気が必要なのだということを教えてくれる一作。
5歳の息子ロレンツォが「副腎ジストロフィー」という不治の病に侵された事を知ったオドーネ夫妻が治療法を探す話。
史実をもとにした話。凄いしいい話には違いないんだけど、息子を愛するが故の狂気が前に出過ぎていてちょっと…特に母親…。まぁその執念が結果的に息子の症状を和らげる事になったのは事実だけども…なんか素直に感動はできなかったな。病に蝕まれていくロレンツォを見るのは辛かった。あの姿を見たらそのまま逝かせてやれよって思っちゃうのも当然でしょ。まぁ難しい問題だからなんとも言えん。誰が正しい訳でもない。子を想う力は強い事はわかった。映画見終わった後にその後の事を調べたらちょっとモヤモヤ。
観る前から泣くとは分かってはいたが開始10分でもう号泣

ただ、難病と言われたALDへの対処法が油を飲むことって本当か?と胡散臭さは否めず(もちろん劇中でも医学・生化学的根拠は示されてますが)、調べたところ、映画をみてオイルがALDへの特効薬になると期待した親が効果が出ないことに腹をたて、オドーネ夫妻は「詐欺師」の汚名も着せられたことがあったようですね。

しかしそこで夫妻を擁護し続けたのは、映画では悪役とされていたニコライス教授のモデルとなった人物で、彼は結果的にロレンツォのオイルがALDの発症予防に効果があることを解明したというから驚いた。

映画も十分に感動的だけども、そのもとの事実はさらにドラマティックだったという。その周辺の話も含めて好きな映画だなぁ。
治療法がなく2年以内で亡くなると言われた難病、副腎白質ジストロフィーに侵された男の子ロレンツォと両親の長い闘いの物語。

両親の愛と執念で、治療薬発見に至るとは、信じられない夢のような話である。しかも実話だというから、なお驚き。

途中過程は目を背けたくなるほど苦しい。植物状態の人や延命治療について考える時、いつも思うが、本人の意思が確認できない以上、『生きている』と『生かされている』の区別は実に難しい。意見が割れるのは必然である。
でも医学の進歩には結局のところ、治療をする側のある意味エゴな面も必要なのではないだろうか。
親の愛の力ってほんとうにすごい

実話。ロレンツォは2008年、30歳まで生きることができ、音楽などを楽しめるようになっていた。お母さんは肺癌で2000年に亡くなり、お父さんは2013年に亡くなった。医学名誉みたいなのを受賞したらしい。
最後の患者の男の子たちが感謝を言ってる動画が溢れて止まらないのとっても感動した
可愛すぎ小さい頃のロレンツォ役の子


エルガーチェロ第一章
最後の子供の指が動くところ、じわっと涙が込み上げて来ました。
これを観た当時は子供はいなかったので、両親の必死さに「子供のためにここまでやれるか?専門家でもないのにたった半年程度でオレイン酸がどうとか思い付くか?」と疑問に思っていた。
が、子供が出来た今なら私だって出来る!
…とは、やはり思えない。
当時と違いインターネットで検索も電話も会議も出来るが、世界中の科学者や医師と討論どころか意思疎通すら出来ないと思う。日本語の医学書を読んでも理解出来る気がしない。子供を愛する気持ちでは負けないが、そもそもロレンツォの父親は世界銀行のエコノミストという超エリートで、自分のような凡人とは頭の出来が違う。そんな父親の選んだ妻である母親もやはり頭が良い。遅くに出来た一人息子ということで、両親の愛情も海より深かっただろう。
しかし両親のその頭の良さや愛情の深さが、超スピードでの薬の開発に繋がったり、周囲との軋轢を生んだりと良くも悪くも作用する。
ベースが実話だけに、鑑賞後複雑な思いになる。

今でも、スーパーに並んだオリーブオイルの瓶を見るとこの映画を思い出す私でした。
「ロレンツォのオイル」で検索すると、李 啓充さんという医師で作家の方の「アメリカ医療の光と影」という連載文が読めるので、映画をご覧になった方はご一読をおすすめします。
この素晴らしい作品を伝える語彙力の乏しさに、自らを嘆く。


医療機関を目指す方には観て欲しい作品だ。
なにか考えさせられる映画を見ようと、
これを手に取ったわけだけど、その想像を
はるかに越えてくるほど所見を述べるのが難しい。

どこが難しいかというと、私がこの物語に対して、
どの視点から語っても、矛盾をはらんでしまう。

きっとこの作品に対して、「両親の努力が素敵だ」
とか「生命の尊さを感じられる」だとか、
そんなきれいな感想はいくらでも言えると思う。
でもほんとにそれで済ませていいのかなと感じる。

私はとてもひねくれてるので、美しいお話を
イヤな視点から考えたいなんて思いがある。
この物語も簡単にいえば、「両親が子どもの
治療法がない病のために努力を重ね、周囲の
人々の応援にも助けられ、病に対して治療法を
自力で見つけ出した。」っていう素敵なお話だけど、
途中で医者やいろんな人から反対を受けていた
シーンに対して、もっと考えなきゃいけないと思う。

映画内では、両親が、医者が臆病だとか、
信じられないとか言っていたけど、
それは少なくとも的外れな発言だと思う。

たとえ子どもが話せなくても、その子には
権利があるわけで、本当にその子は、
立証されていないオイルの投与に賛同したのか?
(もちろん賛同できるはずがないことは承知の上で。)
極端に嫌な表現をしてしまえば、両親は、
自分の息子で「人体実験」をしたことにならないか?
もしそれが失敗してたらどうなっていたか?
全てをきれいな側面から物事を語ってはいけない。

長くなったけど、この映画は、
医学の複雑で難しい実態を描き出し、
私たちに果たして本当の「倫理」とは何かと、
そんな鋭い喫緊の槍を突きつけてきたようだった。
すごいすごいすごいよあんたたち今ロレンツォはどうなったんだろ
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