Lewis

ロレンツォのオイル/命の詩のLewisのレビュー・感想・評価

3.9
予後2年の難病に罹った息子と、治療法を驚異的な努力と執念で見つけようとする両親の話。

遺伝性疾患のため、その告知で母親の受けるショックが自責を含んでしまい、さらに親族との関係へも影響してしまう。ナイーブな問題をリアルに映している。

重大な病気を抱える子の家族の苦悩と、常に希望を持ち続け、努力を惜しまない姿勢を観ることができる。


患者家族は決して医師のいいなりではなく、対等であるべきというメッセージもあるように思う。

でも、この夫婦とくに母親が、危機的状況から他者への攻撃性が高過ぎて、リアルな表現だと思いつつも観ていて不快に感じてしまうところもあった。看護師に家族と同じものを求めたり(結果、看護師は耐えられず次々と辞めていく)、アフリカから青年を飛びつけて世話をさせたり。
この家庭は経済的に余裕があるから出来るケアもあるよなぁと邪推してしまった。


実話を元にした映画であり、この夫婦の努力によって生まれたロレンツォオイルは、今でも副腎皮質ジストロフィーの治療の一つとして使われているという。家族の努力に脱帽です。
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