しげる

フェリスはある朝突然にのしげるのネタバレレビュー・内容・結末

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

最悪映画。
いくらでも面白く出来そうな題材なのに、ここまでつまらなくできる不思議。

まずキャラクターの薄さ、退屈さ。
主人公フェリスは最高に甘やかしてくれる両親がいて、セクシーな彼女がいて、学校の人気者で、何も問題を抱えていないスーパーヒーロー。
だからどんなに悪さしてもお咎めなし。
こんなに恵まれた彼が「退屈だから」とたう理由で学校をサボるのは、傲慢に映って笑えない。

友人キャメロンは家庭環境に問題を抱えた不登校児。
唯一この映画の中で成長が見られる人物。
(彼が主人公の方が映画として成立したはず)
ただしその成長のきっかけは彼自身の努力ではなく、フェリスの影響によるもので主体性がない。
またフェリスがキャメロンを救うことを意図していたのかが判りづらいのは、完全に演出不足だ。
そこさえハッキリしてくれればまだ観れただろう。
どちらにせよ、キャメロンの抱えてる問題の描写が浅いので、彼が救われたとて特に何の感慨も得られなかった。

フェリスの彼女や妹、校長は結局この映画で何も成し遂げていない。
ただフェリスに巻き込まれて右往左往してただけ。不要。

フェリスは監督の反骨精神を具現化したキャラクターなのだろう。
その彼がその都度カメラに向かって話しかけるが、監督の顔が透けて見えるので辟易する。
せめてフェリスが愛すべきキャラクターとして描かれていたならば、ある種の愛嬌として受け入れられたのかもしれない。
しげる

しげる