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フェリスはある朝突然にのRenのレビュー・感想・評価

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
3.5
学校を休んだ日の午前のような高揚感を味わえて面白かった。世間が定めた通常の状態=学校に通っている状態、とは違う状態への高鳴りを面白く料理してくれてありがとうございますという感じ。

フェリスが仮病でサボって遊ぶ、それだけ。「今を楽しめ」とは、後先を考えない、その場だけの刹那的な快楽を大切にするということ。フェリスにとってはこういう日が毎日続いて、その内の一日にすぎないだろうことが滲み出ている。
妹は明日には兄を嫌いだろうし、キャメロンは散々怒られて明日には寝込むだろうし、スローンも数年後には違う恋人を見つけて結婚するだろう。モラトリアムの1日を切り取って、成長かどうか分からない結論を彼らは出す。刹那すぎる。馬鹿だな〜と笑い、でもちょっと分かるな〜と思う。

フェリスが画面越しに語りかけたり、一日が長すぎたり、フェリスが上手くいきすぎ/ヒール側が上手くいかなすぎなところが超フィクション。フェリスは劇中でも何でも上手くいく人として認識されているので、彼は多くのティーンにとってのモラトリアムの権化なのだと思う。実体として見える桐島。

家周辺のコメディ、校長の扱われ方と描かれ方はモロに後の『ホーム・アローン』。ジョン・ヒューズの作家性の答え合わせができて面白かった。

その他、
○ アラン・ラック、当時30歳手前で高校生役を演じている。学生に見えなくもないしフェリスとの対比の表情もいいけど異質感もあって、絶妙なキャスティングだと思った。
○ 刹那感というテーマは、フェリスの存在がないところでも流れている。もちろん妹のジーニーのシーン。その瞬間のときめきによって人生は変わることは誰の身にも起こる。
○ タイトルが4-4-5の作品はいい。
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