歌代

ターネーションの歌代のレビュー・感想・評価

ターネーション(2003年製作の映画)
3.5
正直映像の感じは好みではないのですが「こんなに赤裸々でぐちゃぐちゃな内面、覗いていいのだろうか」という気分になりました。

ご自身で編集をしているということもあり、どこまでも主観的に人生を映し出した映画。
しかも恐らく答えは本人にも出ていない問題だと思います。
だからこそ、カメラの裏側を想像してしまう。

カメラを向けられた対象は絶対にカメラを意識して動き、話すと思います。
だからある意味信用できない語り手であり、信用できない演者たちです。

祖父、祖母、母、自分について描かれていること。
二面性なのか、それとも嘘なのか。
真実はわかりません。
けれど、家族という呪縛と、それらをどうにか愛したいという気持ちは残り続ける。

謎の女の子が語る"生き方"を示す言葉、そしてときどき挟み込まれる美しい記憶。
すべてが脳内のようだった。

途中の画面スプリットが、矛盾を孕んだ内面を表現しているようで印象的でした。
歌代

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