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鞍馬天狗と勝海舟
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『鞍馬天狗と勝海舟』に投稿された感想・評価

幕末ファンとしては1866年の第二次長州征伐直後を舞台にしたレアな映画という点に興味をひかれて鑑賞したが、大正後期から映画監督として活躍してきた池田富保監督の演出があまりにもスローペースかつオーソドックスすぎて詰まらないしストーリーも古色蒼然とした活劇なので後半は本当にしんどくて最近の若者みたく二倍速で鑑賞してしまった。こんだけ古臭いと多分製作当時もそんな感じで受け止められたはず。

唯一の見所はアラカン御大の殺陣と勝海舟に扮した早川雪洲先生の健在な鋭い眼の芝居と時代劇演技くらい、でも勝海舟は江戸っ子のはずなのにアメリカに長い間住んでいた早川先生は終始英語訛りで喋っているので違和感がとんでもないことに。そりゃ異国かぶれと認定されてネトウヨ…ではなく尊攘派から命を狙われるはずだよ。

近衛十四郎が脇役で出演、しかも得意のチャンバラも披露することなく退場する。松方弘樹・目黒祐樹のファミリーヒストリーを見ておくと舞台から映画に転身した当時の苦境が一層伝わってきて複雑な心境に。

思想的には尊皇倒幕の鞍馬天狗が幕府よりも日本の将来を深く考える勝海舟に共鳴し彼を守ろうとするというストーリーはなかなか深い、ちなみに勝海舟は第二次長州征伐の際に長州との会談の場で堂々と「幕府はもう終わりだよ」と語って長州側をびっくりさせ感銘を与えたという凄いエピソードが。交渉は成功したが当然幕府の上層部の怒りを買い役職を解かれるものの、幕府の様々なトラブルを解決できる優秀な人材なのですぐ復帰し大政奉還以降も徳川家のため奔走して現在まで徳川家を残ったのも彼のお陰と言える(ちなみに同じく徳川家存続のため活躍した幕臣に大久保一翁がいる、この人は教科書や歴史書では目立たないけれど超優秀な人材で大政奉還を何と実際に将軍が実施する五年も前に幕府に進言している。そして坂本龍馬とは友人)。

いかにも前時代的な大チャンバラからの、結末を提示せずただ二大スターの勇姿で終わらせるラストがあまりにもスター優先すぎてかえって潔い。でも鞍馬天狗を父の仇と狙ったヒロインにちゃんと父を殺した理由を説明して、観客もよくわからないから。

土方歳三があまりにもヒールすぎて、今の幕末ファンが見たら泣いてしまいそう。
3.0
〖1950年代映画:小説実写映画化:時代劇:新東宝〗
1953年製作で、大佛次郎の小説を実写映画化で、鞍馬天狗の嵐寛寿郎シリーズの第34作らしい⁉️

2026年887本目
チャンネルNECO
2016.07