囚人13号

青い青い海の囚人13号のレビュー・感想・評価

青い青い海(1935年製作の映画)
5.0
海と大空が同等の質感で捉えられた異様な美しさ、陽光を浴びて生きる人間のみならず太陽、大波といった絶え間なく変動する自然被写体の官能性をもフィルムに刻むバルネットの尊大な作家性。
ネックレスが切れて落ちていくスローモーションの尋常な美しさとズームアウト、女と二人きりになるため相手を出し抜くべく背後へ物を投げる動作の反復、救う/救われるの鮮やかな反転。荒波によって水平線と女が同時に消えていく残酷さから生還後は安堵的に再び姿を現し、今度は男たちが水平線の向こうへ消えていく。
囚人13号

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