はなればなれのマチルダ

エドワード IIのはなればなれのマチルダのレビュー・感想・評価

エドワード II(1991年製作の映画)
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どうしてこんなにもデレク・ジャーマンって…
私は、カラックスにもハートリーにもゴダールにもなりたいけれど、今の私には誰よりもデレク・ジャーマンに憧憬を抱きます。

漆黒の背景から人物が徐に出入りする彼の作品には、交錯する史実を縦横無尽に取り込む彼の作品には、不思議な力が、悲しみが、美しさが、儚さがあります。パゾリーニの『アポロンの地獄』を鑑賞したときに遂に気付かされた、映画芸術における世界を見る視線。デレク・ジャーマンは、誰よりも優しく、柔らかく、同時に青い炎のような荒々しさを持って、それを体現してしてくれているように思います。