歩葉戸路素

ノストラダムスの大予言の歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

ノストラダムスの大予言(1974年製作の映画)
5.0
江戸時代あたりから物語が始まり最終的には人類滅亡後の世界まで描いてしまう一大終末映画

全ての時代に『ノストラダムスの予言』が関わっているが、実は無くても話やテーマに支障はないのだ

というのもこの映画の骨格は『反戦』『環境問題』でありオカルトは省いても問題ないからである
だがしかし…それだとこの映画独特の胡散臭さや気持ち悪さは生まれなかっただろうし、やっぱり必要かなぁ(どっちだよ!)

奇形児に始まり、巨大ナメクジ、食人族、殺人コウモリ、殺人花、地下鉄の殺人植物、未来の奇形人間などなどゲテモノ揃いの要素に
街が天災や兵器で破滅する迫力ある特撮シーンもある
ダレる場面は無い!!(きっぱり)

個人的に印象深かったのは
後半、世界が破滅する映像と同時にノストラダムスの予言の文を淡々と読み上げる女ナレーションの声が凄い不気味だった
悲しさとか凄んだりとか全然無く、機械音のように無機物的に読み上げるんだから余計怖い
というかこの映画、ラスト以外感情的になるシーンが殆ど無いのが良かった
終盤、『都市のビルが空に鏡のように逆さに映る』この世の終わりの様な場面があるのだが(ここも絶望感半端なくて壮観だった)この光景を見た、主人公の丹波哲郎が淡々とその超常現象を説明するシーンとか印象的だった
その主人公の博士も最初、人類存続の為に弱者を切り捨てるナチズムに似た考えをしていたが
終盤色々あって一種のヒューマニズムに達する悟りを開く成長を見せる
1999年7月までに人類は平和に向かい結束し最後の意地を見せ様ではないか!と論ずるシーンは名場面

今現在も全く解決してない環境問題や戦争といった重いテーマを取り扱ってるので、機会があれば必見の作品だと思ってる(かなり気持ち悪い映画だが…)


まぁノストラダムスの予言ハズレちゃったけどね
あのオヤジよりによって一番人気の予言をハズしやがって…!
歩葉戸路素

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