HidekiIshimoto

太陽の王子 ホルスの大冒険のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

4.0
初めて観た。異様な絵の動きに刮目。68年、職に誇りを持つ職人職能集団がまだまだいた時代の作。そしてバブルが来て大量生産時代になって、そんな職人が消えていくのは各国共通。そんな地殻変動を生き延びた純正職人が高畑勲と宮崎駿ってことで、そこが以後のアニメーターと決定的に違う。今じゃ想像できないけどそんな技能者や知識人の多くが共産主義(というかたぶんバーニー・サンダース的社会主義)だった。労働者は強力な労働組合で自衛してた。パクさん宮さんもそんな感じの主義者だった時代の、たぶんそれでロシアっぽいこの共産アニメは今観るとかなり異様な異国感。じゃあここに出てくる"悪魔"とはつまり米国なのか?時は流れてタガの外れた対米追従の今。時流れても己の手仕事の上にアイデンティティを築いた宮崎駿はブレない頑固ジジイでいる。キーボードカタカタやってアイデンティティなど生まれるものかよ。でいだらぼっち味もコングvsゴジラ味もある終盤の盛り上がりは職人達の気迫がビシビシ伝わるさすがのクオリティ。