sonozy

推手のsonozyのレビュー・感想・評価

推手(1991年製作の映画)
3.5
台湾のアン・リー監督デビュー作。
ラン・シャン演じる"父親三部作"の1作目。(『ウェディング・バンケット』『恋人たちの食卓』に続く)

台湾出身でニューヨーク暮らしのアレックスと、アメリカ人の妻マーサ、孫ジェレミー。
アレックスが台湾で一人暮らしだった父・朱(ジュ)を呼び寄せ一緒に暮らし始めて1ヶ月になる。

アレックスはコンピューター技師。妻マーサは作家の卵で自宅作業。
朱は太極拳の老師で、チャイナタウンで太極拳を教えたり、家でも太極拳や座禅をしたり、中国語のビデオを見たり、中華料理に腕をふるったりと元気。

日中自宅で朱と二人になるマーサは、言葉が通じないことや、料理や子育てなど文化の違いのストレスで、もう限界!引っ越したい!と愚痴るが、父を愛するアレックスはもっとうまくやれるはずと耳を貸さない。

朱は太極拳の指導中、タイトルの「推手」で太った男を簡単に飛ばしてみせたり、同じ会場で料理教室をしていた女性・陳(チェン)さんと親しくなったり、中国系の人たちとの交流を楽しんでいるが、家ではマーサとの関係は改善せず、気まずい空気が流れている。

その後、マーサがストレスで入院したり、朱が散歩に出たきり夜まで行方不明になったりした事で、アレックスはある判断をするのだが・・・

私は家族・親戚・友人の異文化度はほぼゼロなので実感や経験はありませんが、言葉、食事、親子関係、風習・習慣、子育て・教育…カルチャーギャップ問題の克服って大変だろうなぁ。

本作ではお父さんがまだ要介護でもなく、むしろ元気溢れているし、もっと修復可能な感じでしたが。
ラストも良かった。
sonozy

sonozy