ゴシックホラーとSFの融合、宇宙飛行士をブルーカラーとして描くという革新性、唯一無二のデザインとビジュアル、外敵(エイリアン)と内敵(会社)両方に翻弄される容赦ない展開や説明しすぎない話運びとなどなど、褒めるとこしかない最高の映画。思えば初めて購入した映画ってエイリアン三部作のVHSセットだったなぁ。。DC版で追加された繭のシーンはたしかにテンポが悪くなってカットして良かったが、リドスコとオバノンが考えるエイリアン像が垣間見えるので興味深い(リドスコは2のクイーンの設定がエイリアンを台無しにした的な発言をしてた記憶)。
本作は間違いなくクトゥルー神話の影響は受けていると思うけど、映画秘宝ムックとかでよくエイリアン=クトゥルーそのものと評されるがそれは短絡的かなと思う。生物としての性質が違いすぎるし。。同じクトゥルー神話関連でもCAスミス作「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」に直接的なインスピレーションを得たのではないだろうか?
⚫︎以下箇条書きで類似点
・地球外の惑星で未知の巨大な遺跡を発見する
・中には巨大な異星人のミイラがある
・不審な死に方をした形跡がある
・さらに奥に行くと、未知の生き物が顔に覆い被さってくる(視界を奪われる恐怖!)
しかし異生物が体内で成長し腹を突き破ってくる展開や、逃げ場のない宇宙船内の攻防はオバノンのアイデア。さすがです。脚本の初期案をコミック化した「スタービースト」も読了済みだが、映画本編とほぼ変わらなかったから改めて脚本の完成度の高さを認識した。