2019年、オリンピックを控えた東京、街では反政府ゲリラが暴れ、無軌道な若者たちが電動バイクで暴走を繰り返していた。主人公金田のグループは対立するクラウンというグループと抗争していたが、ある日、謎の超能力少年と遭遇する。転倒して怪我を負った仲間のテツオはヘリで連れ去られてしまった。テツオを取り返そうとする金田は、30年前、東京を壊滅させたアキラという少年を巡る争いに巻き込まれていく…というお話。
昨今、話題に上っているアキラを再鑑賞。オリンピックを巡る状況を言い当てているだけでなく、凄まじい画力に圧倒された。ＣＧがほぼ無く、手書きの背景画と膨大なセル画で精緻に描かれた未来のヴィジョンは、その後の作品群に多大な影響を与えている。エヴァの第三東京市などはまさにそれである。30年前、こんな作品は日本のスタジオでしか生み出せ得なかったが、残念ながら、このように世界に影響を与える力は、現在の日本には無くなってしまった。
