YuikiKoiwa

アキラ AKIRAのYuikiKoiwaのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.2
世界の真理を知ったところで、"人間"は"神"にはなれない。

ただし、世界の真理を知ったとしても"怪物"でなく"人間"でいる選択を取ることはできる。

人間は脆いが、体を持ち意思を持つ。

体があれば世界に触れることができる。

意思があれば問いを立て、考え、結論を出すことができる。

だから、人間だけが技術を持つ。

では、神とは何か。それは原初の存在のことだ。超能力者を指すのではない。

つまり、生命の連続の中に生まれる人間は決して神たりえないのだ。
なれるとすれば、世の統治者である王が精一杯だ。

では、人間とは取るに足りない存在なのか。

私はそうは思わない。

人間の持つ自由意志こそ、人間を尊厳ある存在たらしめる可能性を切り開く唯一無二の能力であるからだ。

そこに至るまでには危険や痛みを伴う選択も待っていることだろう。

それでも、あなたは"尊厳ある人間である"ことを選ぶことができるか。
YuikiKoiwa

YuikiKoiwa