Jimmy

はるか、ノスタルジィのJimmyのレビュー・感想・評価

はるか、ノスタルジィ(1992年製作の映画)
4.0
大林宣彦監督が描いたファンタジー映画。

この映画では「人間に備わった才能で一番優れた才能は何だと思う?それは、『忘れる』という才能だ。それを授けてくれた神様は凄い!つらい事も忘れないで生きるのは地獄みたいだからね…」なるセリフは素晴らしい!
これこそ、名言であると思った。(小説家役の勝野洋のセリフ)


物語は、青春時代を過ごした小樽を久しぶりに訪れた小説家=綾瀬慎介(勝野洋)は、そこで少女はるか(石田ひかり)と出会う。小樽巡りを通じて、綾瀬が過去の記憶を思い出していく。
その「思い出すという行為」をサポートするのは、「高校生時代の綾瀬」である。綾瀬というのはペンネームであり、本名は佐藤弘ということがわかる。高校時代の佐藤弘(松田洋治)とその心の恋人(石田ひかり=2役目)
綾瀬、はるか、佐藤の3人が過去の記憶を辿って行くうちに、綾瀬は自分の忌しい記憶がよみがえる。しかし、綾瀬は段々と純真な心も取り戻して…
といった形で物語が進むのだが、過去の自分と現在の自分が同じ場面に存在する不思議。

大林監督は、こうした幻想的であり、過去と現在が入り混じる映画を得意としている感じあり、観ていてアッという間にエンディングとなっていた。
至福の2時間45分であった。

久石譲の音楽も良かった。
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