さくらこ

愛を読むひとのさくらこのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.6
偶然出会った15歳の少年と35歳のハンナ。
彼らが体を重ねる時は、朗読をする。

冒頭、なんて美しいストーリーだろうと思った。

35歳のハンナは感情的で、15歳のマイケルの方が大人に見えた。

他の方のレビューで、実はこのふたりは愛し合っていたと言うより、それぞれのやり方でそれぞれの愛をひとりで読んでいただけ、という表現があった。これはまさにそうだなあと思ったし、この邦題たる所以なのだろうと思った。

最近ホーチミンのベトナム戦争証跡博物館に行ったのだが、日本人写真家が「アメリカ軍もベトナム軍も、みな私には親切だったが敵を前にすると人が変わった」と書いていた。ハンナの顔は複数あって、みな捉え方が違っていて、その複雑性がこの作品の醍醐味なのだろうと感じた。

時間を置いてまた見たい作品のひとつです。
さくらこ

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