さくらこ

ミッドサマー ディレクターズカット版のさくらこのレビュー・感想・評価

4.5
夏至の日リバイバル上映にて。

今月初旬にアマプラで初めて見て、世界観に圧倒されたが、今回は知った上で見たから登場人物ひとりひとりをよく見れた。

まずダニー。初めて見た時は、クソ男クリスチャンにたぶらかされてかわいそう!!!と思った。一方今回は、ダニーはホルガに救済されてるなと強く感じた。そう感じた場面はいくつかあるが、ダニーは序盤からホルガに歓迎され、ダニー自身それを受け入れていたのではと思う。と言うのも、村に着いて村長らしき人と挨拶するシーンで、他の友人たちは握手しかしていないのにダニーだけハグで歓迎されていた。また、村長はダニーを一瞥しながらペレに「いい人たちを連れてきたね」的なことを言ってたように見えた。さらに思ったこととしては、お年寄り2人の自殺シーンでのダニーはもっと取り乱してもいいんじゃないかということ。自殺の儀式の後帰りたがる様子はあったが、ホルガに着く前のダニーのメンタルのを思うと、もっと取り乱す方が自然では。この時点で、ダニーはホルガに内包されはじめてたのかもしれない。

次にクリスチャン。DC版で、クソ男っぷりがさらによくわかった笑 論文テーマをパクろうとしているくだり、通常版よりしっかり描写されてた気がする。最後に熊の中に入れて燃やされる時、「汚れた」という言葉で罵られていたが、ホルガではクリスチャンの何が汚れと見なされたのかは気になるところ。ダニーを裏切った点、ホルガを論文のテーマにしようとした点、はたまた村の少女と性交した点(それはないか?)か。

次にペレ。こいつはかなーり策士だった。ダニーとクリスチャンがうまくいってないこと、ジョシュとマーク含めた男友達組も実は仲良くないこと、すべて折り込み済みでホルガに呼び寄せ、ペレのシナリオ通りに事が進んだように思った。ダニーにわざと家族の話やクリスチャンの話をして感情を揺さぶり、ジョシュとクリスチャンの論文いざこざを適当にあしらい、彼の行動は何か意図があるんだろうなーと感じられるものが多い。

最後にDC版でのみ収録されていた川(池?)のシーンに言及したい。1人の少年が生贄を買って出るが、ダニーがおかしい!と叫び、その後ホルガの人たちも止めて生贄にはならなかった。他の儀式を考えると、少年は生贄になって賞賛されそうなところなのに、何故止められたのだろう?ダニーのストップと村人のストップ、どちらが中止の効力だったのか。実はダニーのストップだったのかなーと、全部見終わってからふと思った。そもそも、ダニーがこの村に来たのはペレの戦略があってのことだし、素人のダニーがダンスで勝ち残るのも話がうますぎる。とした時に、ダニーはホルガ到着の時点で、メイクイーンになることが内部で決まっていて、彼女の発言行動をホルガの人は止められない、そんなパワー関係にあったのかもしれない。そう考えると、いろいろ辻褄が合うような気がする。

勢いで書いたので論拠が足りない部分も多いが、とりあえずの記録として。
さくらこ

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