HinakoTadaki

愛を読むひとのHinakoTadakiのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.7
設定はすごく良いし興味深い話なはずなのに、場面描写や流れが雑すぎて違和感を感じる作品に思えた。
例えば、ふたりが急に惹かれあった理由がいまいちちゃんと描かれていないし、全体的にそれぞれのシーンの作り方が浅くて雑。あと、字が読めない人は、字が書いてあるのがもともとわかるメニューをあんなふうに不安そうに眺めたりしない。ケイトウィンスレットの演技も私にはいまいちに思えた。表情のあまり変わらない彼女の感情がいまいち読めない。
何年振りかの再開が法廷なのはおもしろい展開。しかも彼女はアウシュヴィッツ収容所の看守をしていたという、彼の知らない事実を知らされることに。このあたりの展開もおもしろい。
最後、彼とユダヤ人被害者が直接対話するところはよかった。女性が上手だった。
題材と設定、展開がおもしろいがゆえにもったいない感が出る作品。