このレビューはネタバレを含みます
文盲であることを隠し牢獄に入った彼女。「だって彼らは囚人です、私は看守。一般人の中に彼らを放つことはできません」ハンナの全く何も疑ってない言い方に、一瞬「そうか」っておもってしまった。文を読み、文字を知った彼女は教育に潰される。自分の本を積んで首を吊る。彼女は教育によって得た「良心」と「悪を見抜く力」によって死ぬ。教育によって得られるのは知識ではない。考える力だ。
ホロコーストの看守側の意見を扱う珍しめな作品。ユダヤ人を大量にガス室へと送った彼らの性格は?どんな人?
ハンナは「いい給料の仕事があったから」「上司にそう命令されたから」「私の仕事はこれだったから」「新しい人がたくさん入ってくるから」と機械のよう。
優秀な機械だったろうな。これは誰にでも凶悪な事件の一端に陥ることのあるということを示唆したものでもある。考えることをしなければ、人間ではない。