アキラナウェイ

ラストキング・オブ・スコットランドのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.3
タイトルだけだとスコットランドの話かと思うけど、実はウガンダのお話。

1970年代にウガンダに君臨した悪名高き独裁者イディ・アミンの実像に迫る社会派サスペンス。

スコットランドの医大を卒業したニコラス(ジェームズ・マカヴォイ)は、父への反発と冒険心からウガンダの小さな村の診療所へとやって来た。それは軍事クーデターによってイディ・アミン(フォレスト・ウィテカー)が新大統領となった直後の事。ニコラスは偶然にも、怪我をしたアミンを救った事から彼に気に入られ、専属の主治医に抜擢される。やがてアミンは主治医以上の信頼をニコラスに寄せ、ニコラスもまた彼の期待に応えようとするのだが—— 。

地球儀を回し、指を刺して当たった国に行こうと決めたニコラス。そんな、無計画で当てずっぽうな決め方が彼の運命を大きく狂わせてしまう。

ウガンダで医療ボランティアとして活躍する医師とその妻(ジリアン・アンダーソン)と仲良くなるも、アミンに気に入られてからは彼らから離れていく事に。

「X-ファイル」を全シーズン観た古参のファンとしては、ジリアン・アンダーソンの登場に歓喜。

それにしても、フォレスト・ウィテカーがこの年のアメリカの主要映画賞の主演男優賞をほぼ独占したというのも頷ける程、怪演が光る。笑っているけどどこか薄気味悪い。そう、アミンはその影で前政権を支持する反対派勢力を大量に虐殺、粛清を繰り返し、その数は30万人にも及んだという。

ニコラスがヤバい!と気付いた時には時既にお寿司。いや遅し。スコットランドに帰りたいと言っても帰してもらえない。ほらー!!ばかばか!!

閲覧注意なグロシーンあり。

終盤、以前鑑賞した「エンテベ空港の7日間」で描かれた"エンテベ空港ハイジャック事件"に繋がる展開が胸熱!!そこからの脱出劇は手に汗握るぅぅ〜!!

ニコラスは架空の人物ながら、これ程の独裁者がこの時代に其処に居たという事実が何より恐ろしい。これはどえらい作品を観てしまった…という余韻が堪らない。