キャプまる

エターナル・サンシャインのキャプまるのレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
2.1
ジム・キャリーを見たくて鑑賞。
しかしジム・キャリーっぽさはほとんどなく、いつもと違うジム・キャリーの演技が見れる。

冒頭の出会いのシーンからのオープニングシーンで時系列が飛びすぎて混乱するが、中盤を過ぎるまでになんとなくオチまでの予測がついてしまう。しかも「こうなったらあまりにも普通すぎるよなあ」という予測が当たるのでなにも嬉しくない。

主人公は彼女に自分に関する記憶を消されたことに怒り、自分も彼女の記憶を消すよう依頼し、最初は彼女との嫌な記憶が消えていくことに清々しい様子だったが、彼女との楽しかった記憶が消えていくにつれ、彼女との記憶が大切だったことに気づき消されないよう奮闘する‥というのが映画の大半を占めていて、そこに自身の経験と重ね合わせて主人公に共感できれば良い映画だと思える。

"忘却はよりよき前進を生む"というニーチェの言葉が作中で引用されていて、確かにその通りな部分もあるだろう。
しかし、この映画を見るに記憶すなわち経験なくして人は成長できないような気がする。実際、受付のメアリーも過去の不倫相手との記憶を消したことでまた同じ相手と不倫してしまうという、記憶がないことで成長できず同じ過ちを犯してしまう展開があったからだ。
なので、記憶を消されている最中の主人公は、たとえ辛い記憶でも彼女との思い出が大事で消去を依頼するんじゃなかったと思える程成長しているが、その記憶が消されてしまった後でのあのラストでは、また同じことの繰り返しになるだけでは‥?と思ってしまいあまり納得できなかった。

エンディングテーマの歌詞からもこの映画のメッセージは、辛い記憶は消せばいいってものではないということだと私は感じた。
しかし、メアリーと不倫関係にあった相手は、メアリーと違い過去に不倫した記憶があるにも関わらず2度も不倫をしてしまう、記憶があるにも関わらず成長していないなんとも皮肉なキャラクターなので、結局記憶があるないに関わらず成長しない人はしない、成長できるかどうかはその人次第というのが本当のメッセージなのかなとも思える映画だった。
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