takuji

パイレーツ・ロックのtakujiのレビュー・感想・評価

パイレーツ・ロック(2009年製作の映画)
4.0
事実をベースにしたコメディ。
当時を知るピーター・バラカンさんによると、DJたちの船上生活はセックスや酒と離れたものでどちらかというとストイックだったとか。北海は波が荒くてそう簡単に船に近づけなかったらしい。
1960年代のイギリスにラジオ局がBBCしかなかったということにまず驚くし、ポップスが一日45分ほどしかかけられなかったということにもビックリだ。ミュージシャン組合との協定によるものらしいけど。

知ってる俳優はフィリップ・シーモア・ホフマンとニック・フロスト、ケネス・ブラナーしかいない。どの作品でもホフマンの存在感というか貫禄はたいしたもんだな。ヒトラーのようなちょび髭を生やしたブラナーの間抜けな政治家も笑える。
童貞青年の成長というよくあるパターンも絡ませてて、コメディとしてもそこそこおもしろい。
でもいちばん印象に残ったのは寝室や職場、バスルームなどでラジオにかじりついてポップスやロックを聴いている若者たち。純粋に音楽を愛してる人たちの姿がとても愛おしい。バラカンさんもあんな風に聴いていたとか。
インターネットで世界中の音楽がいつでも聴ける現在はとてもいい時代だ。
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