【第26回カンヌ映画祭 グランプリ】
ジャン・ユスターシュ監督の代表作。カンヌ映画祭コンペに出品され、グランプリと国際映画批評家連盟賞を受賞した。
ポスト・ヌーヴェルバーグを代表する作品とされる本作、219分と長尺で飽きなかったかというと嘘になるが、ユスターシュの卓越したストーリーテリングに引きつけられた。
年上の女と偶然であった看護師の女の間で自分勝手に生きる男を描いている。正直主人公の男には全く共感は出来ない。二股を何ら気にすることなく、それどころか二人を公然と合わせたりする。まぁフランス的なあけすけな恋愛模様と言えばそうなのだけど。
面白くはない。奇妙な三角関係を淡々と描写するだけで大きな展開もないので。しかし女性二人が何故か連帯する瞬間があったりと関係性に変化が生じていくのが興味深い。
主人公の男は空虚な媒介に過ぎず、女二人の不思議な関係性が軸になってくる。その意味では女性映画と言えるのかも。
ユスターシュの着眼点が面白いし、内容的には思っていたのとは違って興味深かった。かなり長いので人には勧めにくいし、たぶんもう見返すことはないだろうけど独特な作品だった。