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ゆれるのぉゅのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.8
2021年 鑑賞 21-166-7
「夢売るふたり」「すばらしき世界」等の
西川美和監督・脚本の作品。監督自身が見た「友人が殺人を犯す」という悪夢に着想を得て制作された。

故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟・猛(オダギリジョーさん)。母親の法事で久々に帰省し、兄・稔(香川照之さん)が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・智恵子(真木よう子さん)と再会する。猛と智恵子とは一夜を過ごし、翌日、兄弟と彼女の3人で渓谷へ遊びに行き...

クラシックカー、高架下、美しい自然、田舎っぽい町並み、音楽が心地良い!

渓谷へ向かう道中の3人は楽しそうだったのにな... 実は色々な感情や想いが交錯し...

オダギリジョーさん、香川照之さん、真木よう子さんの共通点、悪役が似合う... その片鱗がお互いに見え始めた時... ゆれる吊橋、ゆれるお互いの感情... あの人の想いが前面に出た時に...

お葬式の稔、シャワーを浴びている時の猛
、ガソリンスタンド、野球中継、もう心ここにあらず状態...

あの時の稔の顔... 心の中の悪が解放された稔の表情、言動... ガソリンスタンドが地獄?刑に処されのが地獄?田舎の恐ろしさを知らない猛の表面上の言葉だったが...

“智恵子は殺されるような人だったんでしょうか?”
猛の回想... あの時の智恵子の想い、稔の感情... あの面会室(アクリル板の感じがいいっ!横からも前からも、誰も居なくなっても)の猛と稔が...
猛の証言... 私は “兄弟” “血の繋がり” の恐怖を感じた!●●●の兄弟になりたくないという想いから、感情に蓋をしてしまうという恐怖... あの優しき兄は、都会で成功して、想いを寄せる女性をいとも容易く引き寄せる弟への妬み・嫉みが起こしたことで、それは、兄弟互いに背負わなければいけないという、本人しか感じられない圧力のようなものが、猛を支配したのかと想像すると、恐怖だった... 映写機のシーンは、まさしく彼のあの人への妬みや嫉みだった... 道向かいで叫ぶシーンは、凄く刺さったシーンだった。あと、実家には今は帰りづらい世の中で、家に帰りたい人には、最後は刺さるはずだ!

あとやっぱり俳優という面では新井浩文さんは、迫力が違った!

ピエール瀧さん、木村祐一さん、田口トモロヲさん、蟹江敬三さん、伊武雅刀さんと、脇も最高の布陣で、胸熱な、胸が掻き乱される作品だった!
出来ることなら、音響のいい劇場とかで、自然の音や水の音を聞きたかったなぁ。
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