Eyesworth

ラヂオの時間のEyesworthのレビュー・感想・評価

ラヂオの時間(1997年製作の映画)
4.8
【千本のっこの気の召すままに】

三谷幸喜が劇場用映画の初監督を務めた痛快ラジオコメディ作品

〈あらすじ〉
ラジオドラマの生放送を控えたスタジオ。主演の女優が土壇場で脚本に文句をつけ、急遽変更が加えられることになる。熱海で展開するメロドラマだったはずのストーリーは、その舞台をアメリカへと変え、壮大なスケールのドラマになっていく…。

〈所感〉
面白すぎる。深夜ラジオ好きにとっても堪らない。ラジオ自体リアルタイムのドラマそのものみたいなもので、その中にパーソナリティ、プロデューサー、ディレクター、ミキサー、放送作家なりいるわけで、そんな彼らの様々な利害関係渦巻く人間模様をたっぷり堪能できて面白かった。特に本作はラジオドラマが主題であり、鈴木京香演じる素人の脚本家が初めて陽の目を浴びる場であるにもかかわらず、千本のっこをはじめとする俳優陣や編成のハチャメチャなオーダーによって、最初の脚本から丸っきり変わってしまうのがとても痛快。ただ、昨今の原作とドラマの脚本家の改竄・対立問題とかを見てると笑い事ではない気もしてしまう。何にせよメアリー・ジェーンとドナルド・マクドナルドが最後はちゃんと再会できてハッピーエンドで溜飲が下がる。顔が濃い布施明みたいな俳優がいるなぁと思ったら布施明本人だったので驚き。唐沢寿明演じる工藤が有能すぎてどんな現場でもこんな人の背中ならついて行きたいと思う。最後のドライバーも渡辺謙だとは気づかずクレジット見て驚き。いい俳優にいい時代あっていい脚本があっていい映画ができてるのだなぁと思います。
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