死刑制度って賛否両論だよね。
どちらかというと反対派だけど何故を詳しくは述べられない。
個人的には禁固刑とかの方がいいんじゃないかとか思っちゃう。
死ぬのって簡単だし罪人にも愛してくれる人たちもいるし命を奪うのはなんか…ね。
シスターの立場は複雑すぎた。
あの仲介的なポジションは恨まれて当たり前だろう。
別に彼女はマシューの罪を許しているわけではなく反省させつつどうにか他の道がないか模索していた。
彼女の主張していることはよくわかる。
死刑とは言っても命を奪うのはそれはもう殺人じゃないかと。
一方で遺族側の意見ももちろんわかる。
目には目を、死には死を。
これらの思いは合致することは決してない。
遺族の会で"子供殺した犯人が出所して自由になるけど我が子は一生土の中"ってのは苦しかった。
この先一生背負うことがとてもつらい。
犯人への怒りや憎しみや恨みが残り続けるのもまたつらい。
レイプまでして人を殺してそんなやつが死刑なんて妥当だと思っていた。
殺人犯は死に値するとずっと思っていた。
でも本作を見て少しだけ考え方が変わった気がする。
何があっても許されることではないしそれ相応の罰を受けるのは絶対なんだけど、
加害者たちにも家族がいて心配してれる人がいて生きてほしいと願う人たちがいる。
みんな人間だから。
死ぬまで罪は償ってほしいけど死刑ではなく何か別の方法はないのだろうか。
それで被害者遺族の気が済むのかはまた別の話だが。
家族との面会シーン。
マシューの罪を見つめつつも泣き崩れる母親。
子供や兄弟の表情。
最期に電話で伝えた言葉。
重罪人にこの気持ちを抱くのはどうかと思うけれど同情した。
死刑直前のショーンペンの演技に泣かされた。
神に乞い後悔し命を惜しむ。
その前までとは打って変わって人間らしかった。
大粒の涙を流し自分の犯したことを悔やむ。
それは彼自身の変化かシスターのおかげか。
シスターの行動はとても尊敬する。
どうにかして全員が1番心が落ち着くように動いていた。
どんな反感をくらってもマシューのセラピストをやめなかったことも含め。
彼と彼女の間には絆とも違う不思議な何かが生まれていて言葉にしにくい関係性だった。
でも彼女のおかげで少しは安らかな死を迎えられたんじゃないかな。
しっかり反省し泣き神にすらすがったというマシューにもう一度チャンスを…なんて甘いことを少しだけ考えてしまった。
でもそれはまた違う、複雑だ。
死刑の時間が迫り死への恐怖が増幅。
そこで犯行の映像が流れることでやはり重すぎる罪を犯したことを再確認。
死を与えた人間が死を受けるだけ。
自分がしたことを思いながら死を受け入れたのかな。
"デッドマンウォーキング"の単語を聞いた時に全てを諦め自分の死を確信するんだろう。
あとワードを聞いたとき少し怖かった。
死刑制度はとても複雑で難しくて重要。
全員が納得する制度はいつかできるのか。
死刑囚に対して同情なんてこともしてしまったし、
この考えの変化は良いことか悪いことかは分からないけど、
この映画を見れてよかったと思いました。
やっぱりショーンペンすごいなぁ。
役柄の振り幅もさすがだし演技ももちろん上手すぎて。
もっと他の出演作見たくなりました。