一人の死刑囚に最後まで寄り添った修道女ヘレンの実話を基にした作品。
死刑制度の是非を問う内容となっています。
同じ罪を犯したもう一人の犯人は死刑を免れているのに、ショーン・ペンが演じるマシューは貧しかったために優秀な弁護士をつけてもらずに死刑となる。
「死刑囚に金持ちはいない」と劇中でも言っていて、法の不公平さが腹立たしい。
極悪非道な殺人を犯した加害者を赦せるかといえばNOなわけで、被害者の家族の気持ちを考えるといたたまれない。私が被害者の親と同じ立場なら死刑を望むだろう。
一方で、死刑という形で人間を殺すことも殺人と同じではないかとも思えてしまう。
マシューの最後の言葉が突き刺さりました。
しかし、たとえマシューが死刑をまぬがれたとしても、罪を悔い改めることはないように思えたので、死刑は妥当なのだとも思える。
根深い問題で悶々とします。
ヘレンに魂の救済を求めるマシューの姿が唯一の救いで、彼女の慈悲の心は素晴らしかった。