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ラスト・ラン/殺しの一匹狼のleylaのレビュー・感想・評価

4.0
ジョージ・C・スコットが渋いッ!人生の渋みが詰まってる!『博士の異常な愛情』『ハスラー』などに出てるのに気づいてなかった。アカデミー賞を3回も辞退したってエピソードまでかっこいい。

撮影はベルイマンでお馴染みのスヴェン・ニクヴィスト。こういうのも撮るのですね。

タイトルからラストが読めてしまいますが…。犯罪者の逃亡を手助けする運転手(運び屋)の仕事から足を洗った主人公は、息子を亡くし、妻に逃げられ、失意の毎日を送っていた。そんなある日、9年ぶりに逃亡犯の運び屋の仕事が舞い込む…

懇意にしている娼婦との会話がいいんだな。危険な仕事に出かける主人公に女が聞く。
「(無事であることを)祈ってる。娼婦に祈られては迷惑?」
男は答える。「娼婦とは多くの者と床を共にする女のことではない。娼婦とは心悪しき女」
うぉぉカッコいい。いかにもキザ野郎な見た目ではないのがいいんです。他にもいいセリフがたくさんあって再鑑賞したくなる。

逃亡犯の若い彼女の下着を干してあげたり、首のキスマークを髪の毛でそっと隠してあげたり、そんな大人だから気遣えるシーンも味があってシビれました。

組織の裏切り、カーチェイス、切ないロマンス、海沿いの道、愛車と共にあった男の生き様…リチャード・フライシャー監督の男の美学が詰まっている作品な気がします。
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