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デッドマン・ウォーキングのsingerのレビュー・感想・評価

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)
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今まで観てきた数ある映画作品の中で、今作が1番“泣いた”映画だった。
でも、それは初めて観たあの日から、25年の歳月を経て、きっと気が変わるだろうと思っていて、自分の中ではずっと、心の奥底に封印していた作品。
重ねた年月の中で、自分にも妻子が出来、あの頃とは立場が変わり、当時と同じような感情は抱けないだろうと思い込んでいて。
なので、今の自分の立場からは、マシューの犯した罪を許す事は、きっと出来ないだろうと決めつけていた部分はあったと思います。

そして、25年振りに観て。
確かに、昔に観た時とは、感じ方は変わって、遺族側の気持ちに入り込む部分が増えたとは思いましたが、それでもラストシーンでは、あの初めて観た時と同じような感情が溢れて、涙が出てきそうになりましたね。
でも、やっぱり、その理由を咀嚼は出来ていません。
「何故、自分はこの作品に涙するんだろう?」
その解答は、もしかするとハッキリと存在するものでは無く、答え無く行き交うものなのかも知れないなぁと、そんな風に感じました。

25年振りに今作を観て、確かに思ったことは、今作がやはり、魂が震えるような珠玉のヒューマンドラマだと言う事。
そして、主演のスーザン・サランドン、ショーン・ペンの演技が素晴らしいと言う事。
同年のアカデミー賞では、スーザン・サランドンは主演女優賞に輝き、ショーン・ペンは主演男優賞にノミネートはされたものの、「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジが受賞しましたが、ベルリン国際映画祭では主演男優賞に輝きました。
パール・ジャムのエディ・ヴェダーが手掛けた、エンディングテーマを始めとするサウンドトラック盤も、当時はよく愛聴していて、今作のようなプロジェクトを経て、当時大好きだったパール・ジャムの活動やサウンドに幅広さと深みが増してきたように感じていたなぁと。
そんな部分も含めて、やっぱり人生の名作の中に確実に残る作品だなぁと思いましたね。
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