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ツレがうつになりまして。のmichiのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
3.9

朝のラッシュ時にぶつかる背中へ、嫌悪と苛立ちを覚え、夕方に入った居酒屋で偶然打ち解けた隣の人が、ひょっとしたら同じ人かもしれない。そういった環境や状況によって変化する社会性は、一方で本来的にその緊張へ疲弊していることの裏付けにもなっている。

社会的環境の中で緊張しあいそれぞれの役割へ忠実になろうとする持続的な行為がうつ病をまねいたとして、その原因を回避できる人なんているのだろうか、だとすればこの映画のように、かかってしまうのも自分や人との関係性であったと認識したり、直していくのも同じ人との関係の中でしかないのだと分かれば救いの道も見えてきそうだ。

うつ病を演じる主人公の中へ自分を見出さない人はいないのではないか、そう思えるほど社会生活とそれは表裏一体だし、一方で苦しんでいる症状の重さは未知でありつづける。
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