taka

怪奇な恋の物語のtakaのレビュー・感想・評価

怪奇な恋の物語(1969年製作の映画)
4.0
内容、作風ともに芸術性高し!

OPクレジットはいきなりノイジーなインプロ前衛音楽
スコアはモリコーネで実験音楽全振りのサウンドトラック
即興で映像に当てた演奏もあったのだろう
楽器音が効果音として機能している

分裂症の気がある画家レオナルド(フランコネロ)と恋人フラヴィア(ヴァネッサレッドグレーヴ)との関係は変わっていてやや倒錯的
幻視幻聴は別のアトリエの屋敷に越しても治らず不可解な出来事も発生

全体に明るい画作りでエロティックかつホラー的要素を交え美しくも猟奇的な世界が描かれる
全くという程怖くないが、幻覚の数々や過去の謎、音楽を含めたアート感覚、主演の2人も魅力的で非常にバランスが良い仕上がり

カーペット、ワイン、ドレス、絵の具、血の"赤"が鮮烈!
60年代後期のファッション、小物や家電、オブジェのインテリアは今でもモダンでとても近未来的
手持ちカメラの揺れも味がある
そしてレオナルドの走りはコミカルでなんか笑えるw

イタリアのキューブリックと呼ばれていたというエリオ・ペトリ監督
他の作品も気になります
taka

taka