るい

ひとり狼のるいのレビュー・感想・評価

ひとり狼(1968年製作の映画)
3.7

卒塔婆の夢…✝️


「誰から聞きなすったんだ。追分の伊佐蔵?おれはよくしってるよ」の語り口から始まる超激渋時代劇。

伊佐蔵はどこにも属さない流浪のヤクザ。とにかく強いので彼がつく方が必ず勝つと言われるほどだがそんな伊佐蔵にも暗い過去があった。

ヤクザってのは色々とお作法があるようで、仁義をきって(おひかえなすっておひかえなすってってやつ!)親分ところにお世話になる時は、ご飯は二杯まで、魚の骨は懐紙に包んでお皿を空にする(出されたものは残さない精神)、お布団は1枚のみで柏餅みたいにくるまって寝る。これを伊佐蔵は律儀にやる。

あ、着物着たままでどうやって寝るんかな?と思ったら、着物の帯の結び目は前に持ってくるようで勉強になった笑

にしても、伊佐蔵の過去が暗すぎる。悲しすぎるし、辛すぎる。愛した女は身分の違いにより強制的に別れる事に、お腹に子までいたのにってやつです。

「今夜もまたこの目の中に新しい卒塔婆を1本たてるのか」

哀愁漂う雷蔵さんめちゃくちゃかっこよかったです。雪の中で戦う姿もまた良き⛄️
超人情もの!!!
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