友二朗

男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎の友二朗のレビュー・感想・評価

5.0
「柴又の駅まで送って」
32作目にしてシリーズ最高傑作の一本。

こんなに心が千切れるような、皆の素晴らしさが凝縮された、この時代の眩しさが蘇った、こんなに、こんなに素晴らしい映画をありがとう。寅さん...寅さんに会いたい。

寅さんに幸せになって欲しかった。
こんなに映画に対して自分の意思をぶつけたくなるのは初体験かもしれない。32作分の思いがあるから。

涙が止まらない。

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冒頭の夢に偽寅さん登場。
時代劇や物語ではなく正に夢の演出に。
そもそも悪夢を見るのが珍しい。

博とタコ社長が珍しく喧嘩に。
博の父親の墓参りに赴く寅さん。蓮台寺にてちゃんと博の元気を教えてあげる寅さん。博の父親亡くなったのか。そやったっけ。

久しぶりの一目惚れ。マドンナの朋子が美しすぎる!自分まで一目惚れした。まさかの法事へ和尚の代わりに行く寅さん。とんでも展開すぎる。中井貴一登場。

毅、信子、修、博。
まさかの諏訪一家が寅さんの旅先へ。
諏訪家の親戚シーン。なんか貴重なもの見てる気分になる。満男の従姉妹、衿子登場。そして相続や家屋の話に。リアルやなあ。このギスギス感。博の人格の高さ。

そして法事の電話。博と寅さん。
流石に笑える。脚本が天才すぎる。
クソ真面目に働いてる寅さん。凄い展開。

そしてまさかのそのまま法事へ。笑笑
意味分からんすぎるこの状況。
パニックになるさくらと博。
意識を失いかけるさくら笑笑。不憫笑

「兄さん」に反応する兄さん2人。
ついに泣いちゃうさくら。

まさかのここで寅さんの才能が爆発。
寅さんの凄みに触れ考え込むとらや一同。
授業料でカメラを買った一道。

中2の時の家出話をする寅さん。
父親の話を元気にするも、どこか切ない。

泰道のお風呂を一緒に炊くシーン
キュンキュンする。なんか今回の寅さんは
いい男が極まってる気がする。
なんかセットとロケ地も豪華?

"いっそ寅さんみたいな人がいい"
朋子から間接的な告白まで受ける寅さん。

真剣に嫁ぎに行く決心をする寅さん。
まさの展開すぎる。ここまで行くとは。
タコ社長の定位置の席じわるな。
朝5時に起きるようになった寅さん。

パーマ当てて大都会東京に来たひろみ。
一道とひろみまじでええなあ。
「寅さん家で待っとって、ええか」

「もう 来ないか思うた」
起きて涙を流すひろみ。
雷に驚いて竜造を抱きしめるつね。
停電して抱きしめ合う若者達。

雷に任せて初めてキスをする2人。
本当にこれ「男はつらいよ」か!!??

御前様に当分の出禁をくらう寅さん。
朋子を見て煩悩だらけの御前様。
いや〜素晴らしい演出。温かい。

久しぶりに寅さんと源ちゃんのツーショット見れて嬉しい。ありがとう。好き。源ちゃんのなんでも吸い込むアホさと思いきり見栄を張る寅さんがなんだか癖になる。

さくらの自転車を盗んで走る寅さん。
寅さんの袖をつかむ朋子。

「まだ何も話してない」
「私もそうなの」
ヤバい!ドキドキする!!ヤバい!

「ねえ 柴又の駅まで送ってきて」
うわあああああああ!えぐい!
なんだそれ悩殺ワードすぎる。やばい!
もうそれ過激な告白だよ!しかも言い方!
やばすぎる。神回や、どうしよう。
どうしよう誰か助けて!心臓か持たない!
ドキドキが止まらん!!

さくらにばかり話してしまう寅さん。
袖をつかむ朋子。やばい!どうしよう!
「ねえ 寅さん」ヤバいって!!

さくら.....

「俺がそんなこと本気にする訳
 ねえじゃねえか」
「じゃあ 私の錯覚...」

おおおおおおおおおおおおおおおおおい!!
おおおおおおおおおおい!!
なんでそんな事言うねんバカヤロー!!!!
寅さあああああああん泣泣泣泣

朋子の表情がやばすぎる。
「お兄ちゃん東京駅まで
 送ってあげたら?」
さくらナイス!!さくらナイス!

きゃああああ泣泣泣泣泣

泣泣泣
泣泣

泣泣泣

「という お粗末さ
 さて 商売の旅に出るか」

ヤバい。心折れたかも。
本当に今作で幸せになって欲しかった。
心から、今回で実って幸せに泣
幸せに、なって欲しかった泣
寅さんに幸せに泣
幸せになって欲しかった。

博が父親の遺産を全て工場へ投資。
お礼にパソコンがプレゼントされる。
博 ほんまに人格者やな。

お正月に諏訪家で朝日印刷でお祝い。
とらやじゃないってのが素晴らしい。

寅さんに幸せになって欲しかった。
もう無理かも。これは引きずる。

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しかし今作の女性の描かれ方。
時代なのだろうが今じゃ絶対NG。
流石に不憫が過ぎるし当たりもキツい。

どうせ変わるなら、
ちゃんと優しい世の中になって欲しい。
そう願うばかり。まずは自分から。

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「娘さんかい?」
「ああ これは俺の命よ」

「なあに 仏ほっとけじゃ」

「お金ないんじゃろ、何日くらい?」
流石に良いお姉ちゃんすぎる。
こんな素敵な人おらん。

「風邪ひかんでねえ!」
カズとひろみが青春すぎる。羨ましい。

「あなたが辞めても
 女子がほっとかんでしょう」
「ムチャ言うて!」
笑笑 寅さんの和尚最高すぎる。
大阪屋おもろ笑

「ほんなら姉さん 俺 この家出るけん」

「私すぐそこ行くけん 待っちょおて」
一道&ひろみ グッとくる。

「もう列車が入ってきた。
 俺行かにゃいけん!もしもし ひろみ
 元気でな。俺 いつか絶対迎えに来るけん
 じゃあ、さいなら」
「嫌、私 嫌!行かないで!」
泣きながら駅まで走るひろみ。

「一道さん!!」
「ひろみ!!」
「行ったらいけん!行ったらいけん!」

「なんか用?あ 一杯やりたいのか?
 いいよ。付き合うよ」
「"お染"はいけんぞ。
 お前ばかりモテるからの」
「分かった分かった。じゃあ
 "小春"にしよう。ねっ。和尚さん
 "小春"のママね、和尚さんに惚れてるよ」
「つべこべ言わずに はよ来い」
「嬉しいくれに。本当なんだから」

「本当は会いたい。
 どれだけ会いたいか分からない。
 でもお前の その可愛い顔を見た途端に
 そんな勇気はすっ飛んじゃって
 もうくにをすてるなんてことは
 できねえんだ。"もう東京なんか行くの
 よそう。お寺の跡を継いで
 ずっと暮らそう"そうゆう気持ちに
 なっちゃうってことがアイツは
 分かっているからこそ 心を鬼にして
 お前に会わずに出ていっちまったんだよ」

「東京には綺麗な女の人が
 いっぱいおるんじゃろ?
 おるわきっと。そねなとこ行ったら
 一道さん私のことなんか忘れてしまう。
 だってあの人 モテるんじゃもん」

「なんとかなるよ 愛していれば」
 
「ご飯くらい注げるでしょ 自分で」
スカッとする。

「どうにかなるなら
 何とかしてやりたいねえ。
 それで寅さんが幸せになれるもんならさ
 まあ 無理だろうけどね」
タコ社長ちょっと真剣に温かい。

「それで ひろみは何時頃帰りましたか」
「うちにいるわよ」
最高。とらや最高。

「いらっしゃい」
一道が来て、皆当たり前のように
出迎えるとらや一同。

「どうする、寅さん起こすか」
「いいわよ」
「そうだよ、あんな無粋な男が
 出てきたらぶち壊しだよ。これから
 甘いラブシーンが始まるっていうのに」
「ハハハ 言うなあ叔母さんも」

この後の満男良すぎる。「えっ!」が最高。
友二朗

友二朗