阿呆

転々の阿呆のレビュー・感想・評価

転々(2007年製作の映画)
4.4
メイン二人の設定も繊細で、面白い
最初のタイトルの雰囲気も凄く好きで、ゆるゆるっとした流れで、あっかいなにかを感じられる作品

「幸せは来てることがわからないほどじんわりやってくる。でも、不幸はとてつもなくはっきりやってくる。」
中途中途で流れるオダギリジョーの語りも凄く心地よい

前半、後半共に面白くて
所々出てくる人物が爆弾級に変で、段々メインの二人が素朴な人物像に見えてくる
そんな感じも凄く好き
日常でも見ず知らずにあった人が変だったら目につくし記憶に残る、そんなことって、あるある
良純が出てきたときは、ついに吹いた
最後ぶつかってしまったおばあちゃんまで面白い人物で、役者さんも皆さん楽しく思い入れ込めて演じてるのかなって伝わってくる

オダギリジョー演じる竹村文哉は、これういう人!っていうのが掴めないでいて、なんかむずむずしてたんだけど、マヨネーズ入りすき焼きを食べてオーバーリアクションをとってみたり、カレーを食ってるときに流す涙、ジェットコースターでの笑顔、そんな"幸せな家族"の中に入ったときのはしゃぎ加減が、「オダギリジョー!!!!ブラボー!!!!!!」って感動に感動した
カレーのときの涙やばないですか!?うわわはわ、ってなる、「笑ったまま自首を止めようかと思った」って語りとあの笑顔がやけに染み付いている

吉高由里子のふふみはもはや頭がおかしすぎて、大丈夫かって思ったけれど「何時だと思ってんだよ」で、不覚にもめちゃめちゃ吹いてしまった

裏でスーパーマーケットの3バカの話が展開されていくが、これもストーリーにとって大事な動きであり、彼らのはしゃぎっぷりが仲良くて面白くて、幸せなやつらだなあって思う

比べるのは申し訳ないけれど展開のテンポ感や流れる時間感覚は福田監督のような漫画チックさがありつつ、それでも映画のよさが伝わる、そんな三木聡監督の映画を追ってみようっておもいます!
阿呆

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