Maoryu002

マッチ工場の少女のMaoryu002のレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.3
マッチ工場に勤めるイリス(カティ・オウティネン)は自分の稼ぎばかり頼りにする母と継父に反発し、家を出て行きずりの男と一夜を共にする。やがてその男にフラれ、妊娠が分かり、家を追われたイリスは意を決して薬局で殺鼠剤を購入する。

ごみ収集のお仕事に、マッチが作られる工程と、この頃のカウリスマキ作品は冒頭の映像がやたらシュールで面白い。
ところが、セリフが最小限でもめちゃ分かりやすいストーリーは、かつてなく救いがなく、怒りと絶望感だらけの衝撃作だった。いつものユーモアは封印され、なかなか生々しくておっかない。

これはカウリスマキ作品常連の女優カティ・オウティネンあってこその復讐劇だろう。
「少女」というのはいささか無理がある気がしたけど、彼女の地味で薄幸感前面の個性が最も活きた作品だった気がする。
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