ふみぃぃeeeee

甘い生活のふみぃぃeeeeeのレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
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 ひとりの男がローマの「甘い生活」に呑み込まれていく話。フェリーニの先行作品である『道』や『カビリアの夜』のように分かりやすい話ではなく、この脈絡のないストーリーは難解だなと思ったのと同時に、時折退屈してしまう瞬間もあった。


 華やかな世界の表と裏。退廃するローマを表現する上で、繰り返されるセレブ達の乱痴気パーティー、神を俗的なものとして皮肉る場面などは、無意味で退廃的な日常を淡々と見せられる。だからこそ、救いなどなく、すごい怖い。

 
 マルチェロの生き方を決定づけることとなる友達の自死からは、一気に人間性が変化しているように感じた。


 ラストシーンの素晴らしさ。以前はとれていたはずのコミュニケーションが困難になる瞬間。人間の怖さが凝縮されている。
 

 現時点では、本質的に彩りのある人生を過ごしていきたいと強く思うような作品。色々経験してからまた観てみたい。


[2021年 112本目]
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