電気羊

甘い生活の電気羊のレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
3.8
フェリーニ監督にしては、まともなストーリーのある映画だった。

小説家を目指すイケメン主人公は、パパラッチとしてイタリアのセレブ界の取材を行っていた。

そこでは、金と名声を得た人々が欲望に赴くままに生活をしているのを目の当たりにする。
イケメン主人公は、セレブ界の女性陣から人気で、女優やいろんな女性とセックスをするうちにその世界に染まっていく。

イケメンには恋人がいたが、その恋人は異常に嫉妬深くイケメンを束縛するので、喧嘩が絶えることはなかった。

イケメンは、ある日、知り合った貴族の哲学的生き方に感化され、パパラッチから本格的に小説家を目指そうとする。
カフェで小説を書いていると、清純な少女に出会い心を癒される。

イケメンはその後も富豪の娘と知り合い、結婚しようとするが遊ばれていただけだと分かり、いよいよ現在の生活に嫌気が差し、嫉妬深い恋人とも大喧嘩をするが、自分の居場所は他にはないと諦めて彼女とよりを戻す。

次の日、友人が子供を射殺した後に拳銃自殺したことを知り、小説家もパパラッチも辞め、新しく企業の広告マンとして働くことにする。
だが、生活は乱れ、夜は相変わらずの乱痴気騒ぎ漬けであった。

乱痴気騒動の後、全員で海岸に繰り出すと、そこで網にかかった2m近くある謎の海洋生物を目にするが、不気味なだけでイケメンの心を動かすことはなかった。
そこに、小説を書こうとしていたときに知り合ったカフェの少女と再会する。
少女は、遠くからイケメンに何かを話しかけるが波音に消されて聞こえない。
志を失ってしまったイケメンは、かつて癒しを与えてくれた清純な少女に手を振って去っていく。
少女は微笑んでそれを見送るのだった。

なんかネタバレサイトを観てしまったが…

人生に意味なんてないが、生きていく上で心を燃やせる何かが必要なんだろうな。
電気羊

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