太陽西から昇るを配信している動画配信サービス

『太陽西から昇る』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

太陽西から昇る
動画配信は2025年9月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

太陽西から昇るが配信されているサービス一覧

『太陽西から昇る』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

太陽西から昇るが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM
TSUTAYA DISCAS

『太陽西から昇る』に投稿された感想・評価

4.0
 どうして俺はここにいるのだろう?
 寂しい父子家庭が転じて今や石原裕次郎でも住みそうなモダニズム・テイストの屋敷を「我が家」とし、俺は空っぽのままシンフォニーに浸る。

 不正経理を働いて、その事情を明かさないまま自殺した経理課長の息子である俺を引き取り、家族同然に扱う社長の存念が分からない。分からないと言えば、あの親父が帳簿をごまかして大金を私し、父子ふたりだけの家で事情の端をなんのおくびにも出さずにノイローゼの果てに死んだと?これほど分からない事は無い。

 ただ、俺自身があの親父の何を分かろうとして来たか。

 死なれて汚名を告げられて、なんの異変も気づかずに一つ屋根の下で暮らしていたバカ息子と訝しげに見られ、なにも言い返せず、手も足も出ない今、云われるままに社長に引き取られ、下にも置かない扱いを受ける俺自身も一個の謎だろう。
 ほんの一年前、欲しいと思っても大金を掠め取った筈のあの親父からは一文も引き出せなかったのが社長の食客となって全てが叶ってしまう。この状況を評して社長のバカ娘は「パパのヒューマニズム」と認めるのだそうだ。
 バカ娘語の「ヒューマニズム」を訳すとなにになるのか?
 世間は偽装自殺を囁き、黒幕の存在を説く向きもある親父の件で、汚名を背負って生きる厄介さを免れた俺があの社長からこの先何を引き出せるか。あの娘の涼しい頭で「ヒューマニズム」をいつか「後ろめたさ」とでも訳せるようになったら大笑いだろう。だが結構。その後ろめたさがどこで折れるか試してやろうじゃないか。

 しかし、この状況を実は社長も気付いているに違いない。
 俺の無理に付き合う寛容の裏で俺の「人間味」にどんな使い道があるか値踏みを怠らないのだろう。親父があのように使われて使い捨てられたなら、俺の使い出とはどんなものだろう?
 すると、「ヒューマニズム」には「下心」の意味も忍ばされてるかもしれない。そして、犯罪者の我が儘勝手な息子の使い道にどんな行き止まりが用意されるんだ?

 すると、急に現れた家庭教師の康子が有難くも俺の状況を極めて批判的に解明してくれる。
 悪さを仕込みつつあるバカ娘にちょっかい出されるのは煙たいが、前向きな康子の視線の貪欲さは俺を私したい彼女の挑戦性でもあって俺をそそる。しかしバカの骨頂のような俺は俺で康子には平気で打算に走り、義を放逐する禍々しさも潜められてるのを感じるのだ。この女は必ずや俺を社長と闘わせ勝った者を平気で我が物にするだろう。
 康子から見た俺と俺を巡る男女。同じ野良犬同士の久我、俺をヒモとあがめるパン助のノン、俺を舐めて掛かった殺し屋で元憲兵様でらっしゃる権田ども。皆、康子の唆しと差し金が効いて死んでゆく。あと一人、社長を俺が殺すのか、すんでのところ俺が捕まるのか、康子はその目で自分の運命を確かめて報償を待つ。

 それが彼女の流儀なら待ち続ければいい。小菅の関門に待ち伏せた康子に一瞥も与えない人殺しの俺は無期刑でもって康子をじらし続ける。いや果たして俺は康子にとって忘れられない男、それとも死神だろうか?しかし、いつか俺がこの門の外に出るとき康子が生きているなら望み通り次の死、俺が約束してやれる唯一の事を呉れてやるだろう。
建設会社社長(芦田伸介)の娘の家庭教師になったルリ子。その邸宅に同居している長谷川明男に興味を持ち、調べる。彼の父は会社の汚職事件の責任を取って自殺していた。ルリ子は不可解な気持ちを抱いた。実は、暴力団が殺したのを、圧力があって自殺として処理されたのだ。長谷川は暴力団の実行者を脅し、芦田の指令であることを知り、芦田を空港で射殺。ルリ子は拘置所にいる長谷川を愛していることに気づく、というもの。復讐を果たした爽快感がなく、なぜか不快な後味。芦田も、ルリ子が教える少女も、長谷川も、暴力団の草薙も、どこか身勝手で腹黒いからだろう。江崎の人間描写に計算ミスがあったと思われる。