Toineの感想文

狩人の夜のToineの感想文のレビュー・感想・評価

狩人の夜(1955年製作の映画)
4.5
【恐ろしさと美しさの黄金比】
オープニングカットから既に好き。
クレーン撮りだなんてセンス良いです。
キャストのロバート・ミッチャム氏も強面で男らしいですね。
ギャングみたいな指のタトゥーが最高にThugでかっこ良かった♡はまり役でした。

中盤のあんなに美しい水中死体の演出を観たのは初めてかもしれません。
水上ではいつもののどかな田舎の風景なのに水の中には亡骸の髪の毛が幻想的な淡い光を纏ってゆらゆらと漂っているなんて。
まるで別世界。なんて感動的なんでしょうか。
何回も観たいからDVD買っちゃいました。

後半からファンタジー要素が強くなり星に照らされてキラキラ輝く夜の船のシーンが言葉にできないくらい詩的なのです。
動物の使い方や馬に乗り子供たちを探すミッチャム氏を逆光で魅せるという抜かりないお洒落な計算にも度肝を抜かれました。

ミッチャム氏の役も人怖ですが最後の人間の集団心理的な怖さも本質をついていて凄く好きです。

本作はカテゴリー分けが難しい映画ですよね。
ホラーだしサスペンスだしファンタジーだしお伽話だし前衛的だしクリスマス映画だし。
子供が主役の作品で今のところ1番のお気に入りです。