ゴン吉

ゴジラVSデストロイアのゴン吉のレビュー・感想・評価

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)
4.0
日本を代表する怪獣ゴジラの脅威を描いた怪獣映画「ゴジラシリーズ」の第22弾で、平成ゴジラシリーズの7作目にして最終作。
1996年の邦画配給収入第1位の20億円を記録した大ヒット作。 
 
辰巳琢郎、石野陽子、林泰文、大沢さやか、小高恵美、髙嶋政宏、河内桃子らが共演。    

前作のスペースゴジラとの戦いの1年後、ゴジラとその子供リトルゴジラがいたバース島が消滅する。その1ヶ月後、香港に高熱を発しながらオレンジ色に光るゴジラが出現する。ゴジラは体内での核分裂がバランスを崩し、核爆発をおこしかねない状況であり、通常攻撃ができない。そこで超低温レーザー攻撃が試みられる。一方、東京湾海底トンネル現場で事故がおき、謎の生物が発見される....    

オレンジに光る通称”バーニングゴジラ”をはじめ光を巧みに使った演出が印象的です。
ゴジラシリーズの一作目(1954年)でヒロインを演じた河内桃子の同役での出演や、昭和ゴジラシリーズで音楽を担当した伊福部昭が再び音楽を担当し、エンドクレジットで流れる初代ゴジラや平成ゴジラシリーズの名場面シーンなど平成ゴジラ最終作にふさわしいゴジラ愛に溢れた作品となっている。
昭和ゴジラシリーズの1作目”ゴジラ”をオマージュにして平成ならではの核の脅威を描いており、昭和の原爆で始まり、平成の原子炉のメルトダウンで終わる。
本作で初めて”メルトダウン”という言葉を知ったが、本作公開16年後の平成23年に、我が国は東日本大震災により実際にメルトダウンによる東京を含む東日本壊滅の危機に直面することになる。奇跡的にメルトダウンによる直接被害は免れたものの東京では放射能に汚染された雨が降り注ぐことになる。
すでに原爆や福島原発のメルトダウンによる核の脅威を知らない世代が多い中、今日の原子力エネルギー政策や憲法改正を視野に入れた防衛力の増強など、今後、我が国はどこに向かうのか?
「ゴジラが東京を死の街にして溶けていく」
「これがあたしたちの償いなの… 科学 核を弄んだあたしたち人類の」 

2023.4 BS12で鑑賞
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