すえ

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のすえのレビュー・感想・評価

4.2
記録

自動車教習にも慣れてきた福岡の夜、効果測定の練習問題の結果に笑みを浮かべ、友人と共に陽が落ちた街を少しだけそぞろ歩く。閉店間際のミスドに寄り、可愛い店員さんにドギマギしながらドーナツを5個購入し、宿に帰って友人の部屋でじゃんけん。負けた俺はドーナツを2個頬張る。その後、昨夜買ったエナジードリンクとスルメを開けながら、2人でハリーポッターを観る。何気ないけれど特別な時間だ。

ということで3作目。覚えていたり、そうじゃなかったり、懐かしい。

うーむ、これは面白い。前作までは悪く言えば子供だまし的で幼稚に見えてしまう部分が多く、そこまで惹かれなかった。しかし今作は違い、シリアスな展開に加えホラーテイストな演出、物語の本筋にも関わってくる新情報、とかなりしっかりとした出来だった。CGの作りに関しても良かった、ほとんど違和感を感じない。

今作で特に良いのは、キャラクターだと思う。登場人物は増え続けていくが、どれもキャラがたっており印象的、だから分かりやすい。このキャラクター同士の関係性があやふやになると観る気が失せてしまう、しかし今作はとても良くまとまっておりとても良い。そして何と言ってもみんな大好きゲイリーオールドマン。なんかもう、全部、すごく良いです。

劇中でタイムリープの手法を使うと、かなり複雑になり着地点を見失いがちだけど、上手くボヤかせていてよかった。ま、魔法だからいいんですよっ!
タイムトラベルにおける過去や未来など、考えれば考えるほど沼にハマり理解し難くなっていくから、感覚的に分かる程度で使うのが一番良い。
とはいえ、過去に戻るという未だ実現に至っていない現象を想像し、映画という映像の集合体の中で表現できるのは(無駄に壮大だが)人間の凄さのひとつであると思う。

タイムリープが始まった時の、時計台の内→外への空間的に狭い→広いという意味合いのショットと、タイムリープが終わるあたりの外→内、広い→狭いのショットの対比がよかった。

ここまで3作品を見返して感じたけど、『ハリーポッター』シリーズは結構シークエンスごとの移り変わりが飛び飛びに感じる。多分、みんなが読んでるベストセラーということもあるし、1作品の内容が多いからこうなってるのかなぁと推測。それで違和感がないから全然良いと思う。

2023,250本目 9/14 NETFLIX
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