もずめ

トガニ 幼き瞳の告発のもずめのネタバレレビュー・内容・結末

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

韓国で実際にあった聴覚障害、知的障害のある子供達への学校ぐるみの性的虐待事件。実際の事件とは被害者と加害者の人数が違ったり、最後の電車のシーンは脚色だと言われているようだけど、実際の事件はこれより被害者も加害者も人数が多いのだからさらに酷い。
救いは事件が小説になり映画になり話題になったことで再検証され、裁判が行われて判決が重くなったこと、韓国の法律が変わったこと。一度決まって控訴が棄却されても再検証でこういうこともあるのだな。映画になった意味がある。
でも校長は事件の一年後の執行猶予中に膵臓癌で死んでいるらしく、罪を償ったと言えないのも胸糞が悪い。

子役の演技が特に素晴らしく感情移入した。
亡くなった弟への性的虐待シーンは途中までとはいえ生々しく見ていられない。
女の子2人への虐待も演技とは言え吐き気がする酷さ。
あの4人をターゲットにしたのは、孤児であり騒ぐような親がいないことや、本人が知的障害なこと、親が知的障害や病気なことを把握していたからだろう。子供達はうまく周りに被害を伝えられず、何年も虐待を受け続けていた。

告発した教師にも葛藤があった。
そもそもこの学校の闇はこれだけではない。
お金払って就職するって何?!韓国ではよくあることなの?しかも5000万ウォンって300〜400万円とか?
教師だけでなく用務員にも金を払わせ、がんじがらめにして従わせる。時には脅す。
そんな圧力に負けそうになりながらも、戦った教師。
裁判の後懲戒解雇になったらしく…やるせない。その後復職はしたようだけど、、。

裁判では味方であるはずの検察も裁判官も不正で味方になっていて腐り切った国。おっさん弁護士を勝たせる慣例って何やねん!
あと裁判でまだ幼い子供たちに前に出て衝立もなく証言させるところもありえないと思った。加害者が誰かを言わせたり、詳細なやられた内容をみんなの前で言わせたり。配慮が1ミリもない。

ミンスが復讐した後のお葬式でも本人たち不在という感じで見ていられず。2人が号泣している様子も辛すぎた。
いま被害者の子達はどうしているのか。心穏やかに過ごせているといいなぁ。
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